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「靖国」削除要請を拒否

 映画「靖国 YASUKUNI」ですが,いつの間にか動きがあったようです。

産経新聞(2008.4.21 20:49)
映画「靖国」、削除要請を拒否し5月3日から公開へ

 映画「靖国 YASUKUNI」の李(リ)纓(イン)監督らに対し、靖国神社が映像の削除・訂正を求めている問題で、配給会社のアルゴ・ピクチャーズは21日、「内容を変更せずに、(神社側と)和解する方向を探りたい」として、作品に手を加えずそのままの形で上映する方針を固めた。神社側が期日としている26日までに正式回答する。

 アルゴ・ピクチャーズは、削除しない理由として「神社側から言われただけで、裁判所から法的に削除しろといわれたわけではない」としている。
 映画館には試写会で使用したフィルムと同じものを、遅くとも5月1日前後から発送する。
 これに対し、靖国神社広報課は「正式な回答をもらっていないので、現段階ではコメントできない」としている。

 また、この日は上映を決めている23館のうち、8館の公開日程が決定。5月3日に東京の渋谷シネ・アミューズで公開されるのをトップに順次、大阪や京都などの映画館でも公開。そのほかの映画館についても、日程を調整している。

 う~ん,靖国神社に回答する前に,公開を発表することを決定してしまっていいんでしょうかね。ますます不信感が募るような気がするんですけど…。映画に映像を使われている高知の刀匠との折り合いはついたのでしょうか。この映画への批判は,単にイデオロギーとか右翼の問題からであると考えているとすれば,何と自己中心的な…という印象が拭いきれませんねぇ。

 ここに来て,配給会社は無理やり急いで走っているように思われますけど,裁判所云々の物言いは法廷闘争を覚悟してのことなんでしょうか。問題ははっきりとしているわけですから,それらを解決してから公開しないと,せっかくの主張が台無しになるように感じますけど…余計な心配でしょうかね。

善光寺がついに辞退

 長野での聖火リレーの出発地点となっていた善光寺ですが,その動向が注目される中,18日に正式な辞退を表明しました。

産経新聞(2008.4.18 13:32)
長野聖火リレースタート地点変更 辞退の善光寺「仏教者の弾圧を憂慮」

 長野市で行われる北京五輪の聖火リレーで、善光寺がスタート地点の辞退を申し入れた問題で、同市聖火リレー実行委員会は18日、申し入れを受け、スタート地点を同寺の境内から変更する方針を決めた。リレー計画の変更を迫られる事態となった実行委は、ルートの再検討を始めた。境内ではなく、参道をスタート地点にすることなども検討されているという。

 同日、善光寺から正式に辞退の申し入れを受けた実行委の篠原邦彦事務局長は「大変衝撃を受けている。善光寺の総意として決定を尊重する。コースを変更せざるを得ない」と述べた。善光寺の若麻績信昭(わかおみしんしょう)寺務総長は、理由について「文化財や信者の安全の問題と、チベット問題を考慮した」と説明した。
 関係者によると、善光寺内部では、チベット暴動で僧侶が弾圧されていることを理由に、同じ仏教者として境内を提供することに反対する意見や、抗議を懸念する声が出ていた。
 こうした事情などから、17日に幹部らが会議を開いて対応を協議した結果、スタート地点返上の方針を確認。18日になって、市実行委側に意向を伝えた。
 これまでの計画では、善光寺の本堂と三門の間のスペースに特設会場を設け、26日午前8時から点火式などの出発行事を実施。その後、長野五輪の競技会場などをめぐる18.5キロのルートを予定していた。
 聖火リレーをスタートする最初のランナーには、北京五輪野球日本代表監督の星野仙一さんら著名人が予想されている。

■「チベットで無差別な殺人」

 「チベットで無差別な殺人が行われた。チベットの仏教者が立ち上がり、それに対する弾圧が行われ、憂慮していた」。北京五輪の聖火リレー出発地辞退を長野市に伝えた善光寺の若麻績信昭寺務総長は18日、市役所で会見し、チベット暴動をめぐる仏教者への弾圧が大きな理由であることを明らかにした。
 会見には法衣姿の僧侶4人が並んだ。善光寺には、聖火リレーについて1日100件を超える電話があり、境内を出発式に使用することに抗議する内容の電話も多かったという。
 一方、ルートの変更を余儀なくされた市実行委員会の篠原邦彦事務局長は「すぐに上司に報告する」と青ざめていた。

 長野市聖火リレー実行委員会の事務局長は「大変衝撃を受けている。」というように述べていますが,こういう事態は充分予想していたことでしょう。善光寺が辞退する前から,善光寺を含まないコース案がすでに実行委員会内で作成されていたと思いますけどね…。

 善光寺といっても大きな組織ですから,正式な辞退を決定するということで意見をまとめるには紆余曲折があったと想像できます。決定までに時間がかかったとは言え,仏教寺院としての善光寺の名が貶められる状況を未然に防いだことは高く評価できますね。チベットの弾圧が今回の辞退の大きな理由であると明言もしていますし。

 ところで,17日の記者会見で,町村官房長官が「わが国は極めてきちんとした法治国家で、他国の力を借りなければならない治安状況にはない」と述べて,中国の「聖火防衛隊」を受け入れない考えを示しましたけど,18日朝のNHKニュースでは「長野県警が聖火防衛隊を受け入れることを決定した。」と伝えていました。
 これはNHKの先走り報道なんでしょうか。NHKのような内容の報道は,他に見当たらないんですけど…。政府と警察でちゃんと意思が統一されているのか,少し心配になりますが,主権国家の日本では,主権侵害の「聖火防衛隊」はお断りです。

神戸にも「セントくん」が…

 表記はカタカナのようですが,平城遷都1300年祭のマスコット「せんとくん」と同じ名前のマスコットキャラクターが存在するようで…。

産経新聞(2008.4.17 14:08)
平城遷都祭 「せんとくん」に同名の“先輩”が…

 愛称が決まったばかりの奈良県の平城遷都1300年祭のマスコットキャラクター「せんとくん」と同名のキャラクターが、神戸市のイベントで既に活躍していたことが17日、分かった。

 神戸市兵庫区の平野地区で続いているイベント「福原遷都まつり」の「セントくん」。奈良県などでつくる1300年祭の事業協会は「同名キャラの存在は知っていたが、商標登録をしておらず、大丈夫だと思った」としている。

 「セントくん」は、平清盛が福原京に遷都したことにちなみ、武将姿。「遷都まつり」は平野地区の住民が阪神大震災の復興イベントとして平成17年から始め、毎年開催している。

 奈良のせんとくんは「かわいくない」との批判もあるが、遷都まつりの実行委員会事務局は「奈良と平安で時代が違うし、仲良くできるのではないか。こちらのセントくんの方がかわいいけど…」と話している。

 セントくんと一緒にいる平安時代の衣装の女性は「フクちゃん」と言うそうです。武将の姿にも関わらずカタカナのセントくんなんですね。関西で福原と言えば,歓楽街を想像する方が多いと思いますけど,そう言えば,福原にも平安時代の末期に半年ほど都が置かれたことがあったんですよね。この遷都は平清盛の主導で行われていますので,武将姿のセントくんのモデルは平清盛ということなんでしょうか。
 この新聞記事では,福原遷都まつりの実行委員会事務局の人は余裕のコメントですねーという感じで紹介されています。毎日新聞では福原遷都まつりの実行委員会事務局長のコメントが載っているんですが,ちょっと様子が違うようですよ。

毎日新聞(2008年4月16日 20時40分)
せんとくん:同じ愛称名が神戸に 苦難続く…平城遷都事業

 実行委事務局長の玉川侑香さん(60)は「奈良の名前を知ってびっくりした。商標登録が必要だった。もう少し可愛ければ、仲良くしやすいのだけど……」と困惑気味。奈良県などでつくる平城遷都1300年記念事業協会は「商標を調査し、福原のキャラクターも把握していたが、1回限りの催しと認識していた。法的な問題はないが、福原側から苦情などがあれば対応を考えたい」としている。

 あんなかわいくないマスコットとは仲良くなりたくない…ということでしょうか。とりあえず,福原遷都まつりのマスコットの名前が商標登録されていたらここで話題になることはなかったんでしょう。今回,平城遷都1300年祭のマスコットが「せんとくん」と命名されたことによって,福原遷都まつりが注目を浴びる結果になったというわけで,前向きにも考えられると思いますけどね。私も全然知りませんでしたし…。そっとして欲しかったなら別ですが。

 という訳で,近い将来,平城遷都1300年祭事業協会の「せんとくん」,福原遷都まつり実行委員会の「セントくん」,「クリエイターズ会議・大和」が募集する新しい平城遷都のマスコットでコラボレーションが実現するかもしれません。これで,関西の景気も盛り上げていただければいいかな…と。

愛称は「せんとくん」

 平城遷都1300年祭のマスコットキャラクターの愛称が決まったそうです。

産経新聞(2008.4.15 16:53)
あの平城遷都1300年祭マスコット、愛称は「せんとくん」

 デザインなどをめぐって不評の声も噴出した「平城遷都1300年祭」のマスコットキャラクターについて、奈良県などでつくる事業協会は15日、愛称を「せんとくん」に決定したと発表した。

 愛称の公募には1万4539件が寄せられ、漢字やカタカナなども含め「せんと」(遷都)が337件でもっとも多かったという。事業協会は、キャラクターをデザインした東京芸術大の籔内佐斗司教授ら5人の愛称選定委員会を設置し、選考を進めていた。

 同祭は平成22(2010)年に奈良市の平城宮跡を主会場に開かれる。

 おぉ…。思いのほか,良い愛称だと思います…。英語の「SAINT(セイント)」もかけているそうですなぁ。今までとは違うポーズのものもいくつか発表されているようで,表情が変わると少しイメージが変わるような気もしますね。今までのにんまりと笑う顔でなくて,にっこり顔で歩くポーズのものは結構さわやか…かも。それでもやっぱり,駄目ですかぁ…。滝汗
 今日は,その前に新しいマスコットキャラクターのデザインを公募する動きも報道されていました。奈良県内のデザイナーが頑張るようです。

産経新聞(2008.4.15 12:25)
奈良のデザイナーら、遷都マスコットの公募開始

 「かわいくない」との批判が出ている「平城遷都1300年祭」のマスコットキャラクターに対抗し、奈良県内のデザイナーらが15日、独自にデザインの公募を始めると発表した。
 「クリエイターズ会議・大和」で、募集は5月15日までの1カ月間。郵送と同会議ホームページで受け付け、最終的に投票で決める。

 現マスコットは「シカの角を生やした仏教的な装いの童子」。奈良県などでつくる祭りの事業協会がこの日午後、愛称を発表する。
 同会議は新たなマスコットと現マスコットの関係について「友達として一緒に祭りを盛り上げたい」としている。連絡先は同会議の事務局((電)0742・35・5209)。

 新しいマスコットは,平城遷都1300年祭事業協会の「せんとくん」とは敵対せずに,友達関係になるようなので,とりあえず安心安心。マスコット同士仲良くやってください。果たしてどんなマスコットが決まるでしょうか。突飛なものを期待しています。微笑
 「奈良県らしいけど新しい」というのはなかなか難しいですね。1984年の奈良わかくさ国体に「やまとくん」というマスコットがいたそうなんですが,それが丸々そのまま大仏さんでして,頭にぶつぶつがついてます。やっぱりなぁ~という感じですね。このときには批判はなかったんでしょうかね…。まぁ,時代が違いますか。

実用外交の第一歩か

 韓国の李明博大統領が,相次いで日米を訪れるそうです…。

産経新聞(2008.4.14 22:02)
李明博韓国大統領15日訪米 20日に訪日へ

 【ソウル=久保田るり子】韓国の李明博(イミヨンバク)大統領は、就任以来初めての外国訪問で15日から米国、日本両国を訪れ首脳会談に臨む。過去10年の革新政権下では主に対北朝鮮問題で米韓関係がぎくしゃくし、日韓は歴史認識問題などをめぐる対立から首脳交流が途絶えた。今回の2カ国歴訪を李大統領は「実用外交の第一歩」と位置づけ日米との友好修復と同盟強化、経済関係の活発化を目指す。日米韓の連携復活も国際社会に印象付けられることになりそうだ。

 出発に先立った13日の記者会見で李大統領は、対北朝鮮政策について、「挑発的な言動には原則を持ってき然と対処している」と述べたが、北朝鮮への対応を裏付ける意味でも米韓関係修復は李大統領の首脳会談の重要テーマとなる。米国とは在韓米軍再編や、ミサイル防衛など安全保障問題のほか米韓自由貿易協定(FTA)の批准などが話し合われる。ブッシュ大統領は李大統領を韓国大統領として初めて別荘のキャンプ・デービッドに招いて首脳会談を開く。

 また、日本訪問ではシャトル外交復活や、北朝鮮問題での連携、日韓FTA交渉の再開をはじめとし、日韓の財界、経済人交流など経済関係強化が図られる。

 李大統領は先に訪韓した日本の知事会議代表団に、「日韓関係を実質的に役立つ方向に発展させたい」と述べている。李大統領は15日にニューヨーク入りし、19日に米韓首脳会談に臨む。20日に日本に到着し、21日に福田康夫首相と会談する予定だ。

 長い間ギクシャクしていた日韓関係ですけど,新しく就任した李明博大統領は,未来志向の外交と言う建前で日本との関係修復に臨むようですね。盧武鉉元大統領も,就任当初はそんなことを言っておいて,すぐに反日に転じましたので,どこまで続くのか注目されるところです。

 韓国の人たちにとって反日を行うことは,幼少のころからの教育で徹底されていることですし,すっかり日常生活の風景の一つと化しているようですので,今回の李大統領の訪日に際しても,韓国内からの様々な圧力があるようです。そして,歴史問題に関しては,日韓の間で合意を得ることが現在のところほとんど不可能ですので,ここは,李明博大統領の腕の見せ所でしょうか…。どうやってごまかすか…。日本の首相は,韓国にとっては幸いの福田さんですし…。

 今朝,テレビのニュースを見ていたら,韓国では今,日本の併合時代の建築物の保存運動が注目を集めているとのことです。十数年前に,歴史的建造物の旧朝鮮総督府庁舎を破壊したことを考えると,にわかには信じられないことなんですが…。
 韓国で言われるところの日帝時代(併合時期)に建てられた建築物は「日帝残滓」とされ,これまでにも事あるごとに破壊されてきました。測量用の杭でさえ,朝鮮民族の精気を奪うための日帝の陰謀だとしてあちこちで抜きまくってしまったという,ちょっとほのぼのとした話もありますね。ただ,橋などの真に実用的なものはそのまま残されているものが多いそうですが。

 最近の韓国では,併合時代の日本の役割を再評価する教科書がつくられたというニュースも入っていますので,今までよりは多少風通しがよくなっているのでしょうか。ただ,この教科書は,韓国では「韓国版の扶桑社教科書」という位置づけみたいですけどね。

 とりあえず,李明博大統領のこれからの動きに注目です。前任の大統領があまりにもあんまりな方でしたので,たいていの人はまともに見えるかもしれませんが,韓国内の事情に関わらずどこまで我慢できますか…。1年ぐらいは様子見ですかね。

【京都の寺社】清涼寺

 今回は浄土宗寺院である清涼寺(せいりょうじ)。嵯峨釈迦堂(さがしゃかどう)のという名でも知られているようです。渡月橋からひたすら北へ向かって歩くと,清涼寺の仁王門に突き当たることになりますが,狭い小道の先に現れるこの大きな門は,見るものを圧倒するような雰囲気があります。この仁王門の西側には,前回の宝筐院がありますね。
 清涼寺の本尊は釈迦如来で,開基(創立者)は奝然(ちょうねん)。開山(初代住職)はその弟子の盛算(じょうさん)です。

 清涼寺のある地には,元はと言えば嵯峨天皇の皇子である左大臣・源融(みなもとのとおる,822~895)の別荘・栖霞観(せいかかん)があったとのことです。源融がそこに阿弥陀三尊像を造立しようとして果たせなかったのを,源融の一周忌の寛平八年(896)に彼の息子が遺志をついで造立。その阿弥陀三尊像を安置した阿弥陀堂を棲霞寺(せいかじ)と呼びました。この源融は,あの源氏物語に登場する光源氏のモデルとも言われている人物ですね。微笑
 天慶八年(945)には,重明親王が亡き妃のために新しい御堂を建てて,そこに釈迦像を安置したということで,この釈迦像を納めた新堂が,現在の清涼寺の別名である「嵯峨釈迦堂」の名の由来ではないかという説があるようです。

 棲霞寺の創建から数十年を経て,奝然(ちょうねん,938~1016)という僧が中国大陸の宋に渡ったときに,現地の仏師に釈迦如来像を彫らせました。奝然は帰国後,その釈迦如来像を安置する寺院を建立しようとして果たせずに亡くなりましたが,弟子の盛算(じょうさん)が長和九年(1016)に,棲霞寺にあった釈迦堂を新たな寺院・五台山清凉寺として創建したのが,現在の清涼寺の始まりとされています。
 この五台山というのは,奝然が宋に渡ったときに巡礼した霊山・五台山のことです。この山は別名を清涼山と言うそうですが,奝然は京都にある愛宕山(嵯峨野の北西にあります)を宋の五台山に見立てて,この麓に釈迦如来像を安置する寺院を建立しようとしました。それが五台山を号する清凉寺の始まりとなっている訳です。

 清涼寺の南門である仁王門,清涼寺の前身で棲霞寺と呼ばれた阿弥陀堂,清涼寺の本尊である釈迦如来像を安置した本堂(釈迦堂)以外に気になるものを少し…。

 本堂(釈迦堂)の西隣には「秀頼公首塚」という首塚があります。昭和五十五年(1980)に大阪城三の丸跡の発掘時に,豊臣秀頼の首と思われる遺骨が発見され,清涼寺で葬られることになりました。これは,清涼寺の本堂が,慶長七年(1602)に豊臣秀頼によって寄進・造営されたことが縁となっています。

 清涼寺の境内の西門近くには薬師寺がありますが,この薬師寺は旧福生寺と伝えられます。小野篁(おののたかむら,802~853)が冥土と現世を往復して,閻魔大王の補佐をしていたという伝説がありますが,その冥土への入り口が六道珍皇寺の井戸で,冥土からの出口が福生寺にあったということです。現在,薬師寺の脇には,現世への出口であること示す「生の六道」と刻まれた石碑が残されています。

 このように複雑な歴史を辿っている清涼寺。伽藍についても,現在の本堂(釈迦堂)は元禄十四年(1701)に,江戸幕府五代将軍・徳川綱吉とその生母桂昌院によって再建されたもので,阿弥陀堂は文久三年(1863),仁王門は安永五年(1776)の再建だということです。
 清涼寺の境内は広いですが,訪れる人もそんなに多くはなく,今でも静寂な雰囲気を保っています。多くの人が関わってきた歴史の重みを感じさせるに充分な重厚感を漂わせていると言ってもいいでしょう。微笑

 年中行事としては,毎年3月15日には京都三大火祭りの一つとされるお松明(たいまつ)が,4月には京都の三大狂言の一つとされる嵯峨大念仏狂言が行われているそうです。こんな行事に遭遇する機会があればいいですね。笑顔
 そう言えば,昨年は仁王門に車が突っ込むという事故が報道されていましたけど,その後は大丈夫なんでしょうか…。

隠された聖火リレー

 サンフランシスコに入った聖火リレーですが,どんどんエスカレートしているような雰囲気ですね…。

産経新聞(2008.4.10 20:56)
人目はばかる聖火リレー 中国系メディア絶賛、米では厳しい視線

 【サンフランシスコ=松尾理也】北米唯一の立ち寄り地、サンフランシスコで9日、行われた北京五輪の聖火リレーは、ロンドンやパリでみられたような大きな混乱はなかった。直前にルートを変更するという当局の大胆な措置が功を奏し、沿道に抗議団体の姿はほどんどない。ただし、通常なら寄せられるはずの温かい声援もなかった。人目をはばかるように駆け抜けた聖火は、世界から厳しい視線を向けられている北京五輪の姿と重なる。

 今回の聖火リレーの出発地点は、米大リーグ、ジャイアンツの本拠地AT&Tパークに隣接する埠頭(ふとう)。チベット問題など中国の人権抑圧を非難する団体などのほか、北京五輪を支持する中国系米国人らも結集し、互いににらみ合う異様な空気に包まれた。

 当局は、リレー開始予定の午後1時直前、ルートを約半分に短縮すると発表。ほぼ同時に埠頭に最初の走者が姿を現し、トーチに採火。いよいよ走り出すかに見えた。
 ところが、パリなどでの態勢と同じく中国の警備担当者に守られた走者は、倉庫の中に姿をくらませてしまった。しばらくして複数の車両が別々の方角に走り出し、水上スキーや船舶まで出発した。裏をかく作戦は成功し、メディアまでもが完全に聖火を見失ってしまった。
 結局、聖火は当初予定されていた海沿いのコースとは離れた市役所近くの大通りに、バスから降りて登場。警官らが厳重に包囲する中、市北西部のゴールデンゲート・ブリッジに向けて走り出し、その後再びバスに戻った後、そのまま空港に直行した。
 たまたまリレーに出くわした通行人らが手を振る光景も一部でみられたが、懸命に聖火を追いかけた抗議団体側も、支援の中国関係者側も、結局追いつくことはできず、表面上はリレーは平穏に終了した。

 「市民の裏をかく」という、このサンフランシスコ市当局のアイデアと手際を激賞したのが中国政府。周文重駐米大使は、リレーが「中国系を含む米国民の熱烈な歓迎によって成功した」と満足を表明する声明を発表した。AP通信によると、中国のメディアも「抗議活動家らは八方ふさがりに陥った」「まるでハリウッド映画のようにサスペンスとドラマに満ちたリレーだった」と、絶賛する報道が目立った。

 国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ会長も滞在先の北京で「幸運にも状況は改善された」と述べた。だが、本来記念すべき晴れの舞台であるにもかかわらず、人目をはばかるように通り過ぎていった聖火に対し、米国民やメディアが寄せる目は厳しい。
 地元サンフランシスコ・クロニクル紙は「何という失態だ」と嘆いた上で、「サンフランシスコがいかに政治的な反対意見を尊重する街かということを示す絶好の機会だったのに、市はその機会から逃げ出した」と手厳しく非難した。

 米ゾグビー社の最新の世論調査によると、五輪開会式をボイコットすべきだと考える米国人は全体の48%に上り、出席すべきとする33%を大きく上回った。また、中国は五輪開催にふさわしくないとの回答は70%の高率に達している。
 サンフランシスコのニューソム市長はこの日、「事故がなかったという意味で、リレーは成功だった」と述べたが、その強気の言葉とは裏腹に、五輪への批判は一層高まる気配だ。

 直前にコースを変更したということですが,観客には全く知らされていないわけですよね…。何のために聖火リレーをやっているのかよく分からなくなってきました。こんなことで喜べる中国系メディアは,それこそオリンピックの精神を理解していないということなんでしょう。いったい聖火リレーに何を期待しているんでしょうね。

 中国にとって今の状況は,聖火リレーを続行しても面子丸つぶれ,中止しても面子丸つぶれという,八方ふさがりといった様子です。そろそろ,平和的解決へ向けた話し合いに応じる姿勢にはならないんでしょうかね。まぁ,それができれば中国ではないような気もしますが…。

 ほんの2か月前には,こんな状況になるとは思いもよりませんでしたね。長野での聖火リレーも近づいていますが,その出発地点となっている善光寺にとっても大いなる苦悩があると思われます。JOCでは,リレーのコース変更への言及もあるようですが,そんな事情も踏まえているのかもしれません。

 これからさらに活発な動きがあるかと思いますが,とりあえず,あの悪名高い中国の聖火警備隊とかいう集団の実力行使は認めないと,警察庁が方針を示したのは結構なことだと思います。

映画「靖国」の問題

 最近,話題になっている映画「靖国 YASUKUNI」ですが,映画に登場する刀匠と監督の言い分が随分食い違っているようで…。

産経新聞(2008.4.10 18:05)
「マイナスイメージない」 映画「靖国」監督が会見

 靖国神社を題材にしたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映中止問題で、李(リ)纓(イン)監督が10日、東京都千代田区の参議院議員会館で会見し、「日中合作という国際化の成果の作品で、日本の国際的イメージにとってマイナスになるものではない」と強調した。

 会見は李監督のほか、ジャーナリストや映画監督ら上映中止に抗議する14人が出席。李監督は上映中止の動きについて「3月末に(4月公開予定の)全映画館が中止を決め、びっくりした。どのような圧力があったか分からないが、理解しにくい」と訴えた。

 会見では、作品に登場する靖国刀匠、刈谷直治さんが自分の映像を削除するよう求めているとされる報道にも言及。「作品を去年4月に刈谷さん夫婦に見せに行き、了承してもらった。今年2月にチラシを見せたところ、刈谷さんは喜んだ。またパンフレット用に“誠心誠意”の言葉もいただいた」と理解を得たことを強調した。

 その上で「まだ刈谷さんからの連絡はない。(刈谷さんに)どんな圧力があったのか。作品が成立できなくなるよう働きかけられたとしか受け取れない」と懸念を示した。

朝日新聞(2008年04月10日)
「思った趣旨と違う」 映画「靖国」に出演の刀匠

 ドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」をめぐり、映画の中心的な登場人物で、高知県内に住む刀匠(90)とその妻(83)が10日、朝日新聞の取材に、「思っていたのと違う趣旨で映画が作られていて、『靖国問題』に巻き込まれてしまった」と話し、出演場面の削除などを希望した。

 刀匠によると、05年に李纓(リ・イン)監督側から「出演依頼」の手紙が送られてきた。戦後、伝承されなくなってしまった靖国刀の最後の刀匠として取り上げたい、という内容だったという。刀匠は承諾し、李監督は靖国刀を制作している場面などを撮影した。

 その後、李監督らが自宅に来て映像を見せてくれたが、靖国神社に参拝する小泉首相(当時)とそれに反対する人たちに交じって、刀を作る映像が流れていたため、「これでは撮影を受けた趣旨と違っている」と出演場面と出演名の削除を頼んだという。

 今年3月に自民党比例区選出の有村治子参院議員から、「国会で映画を審議しているからどのように考えているのか意見を聞きたい」という電話があり、刀匠は「出演していることが本意ではないので、名前と映像を省いてほしいし、完成品を見せてほしいと思っている」と伝えたという。

 今回の映画について、刀匠は「靖国刀の伝統技術や美術品としての価値を後世に伝えてくれるものだと思っていた。『靖国問題』と結びつけるものだとは、まさか思っていなかった」と話している。

 この件については,以前から問題とされていましたけど,メディアでなかなか取り上げられなかったので,放置されていたような感じです。上映中止の判断には,イデオロギーよりも肖像権の問題が影響しているのではと勘ぐってしまいますね…。

 先日の国会での有村治子参院議員の質疑においては,映画「靖国」のポスターに大きく登場している自衛官の画像が,靖国神社において無断撮影されたものを本人に無許可のまま使用しているものだということも指摘されていましたが,この件はどうなったんでしょうか…。

 政治的なメッセージを持つとされるこの映画が,文部科学省の独立行政法人である日本芸術文化振興会の補助金を得ているという指摘が発端となっている面もありますけど,言論の自由や思想の自由を叫ぶ前に,筋を通すべきことがあると思いますけどねぇ。困惑

くいだおれ大人気

 昨日「大阪名物くいだおれ」が7月に閉店すると発表してから,くいだおれ人形が大人気のようです…。

産経新聞(2008.4.9 22:09)
「わての経済効果は年17億円や」くいだおれ人形で試算

 「くいだおれ人形」の1年間の経済効果は約17億円に上るとの試算を、関西大大学院の宮本勝浩教授(数理経済学)が9日、公表した。試算には含めなかった指標も加えると、ミナミ全体に与える経済効果は約25億円に上るとみられ、宮本教授は「くいだおれ人形がなくなることは大阪にとって大きな損失。なんとか残してほしい」と話している。

 試算では、食堂「大阪名物くいだおれ」と戎橋筋商店街の売り上げから経済効果を推定。3月に実施した聞き取り調査の結果、くいだおれ人形目当てで、くいだおれで食事する客が全体の約3割だったため、年間約10万5000人が人形による集客で、経済効果は約4億4600万円-と試算した。

 また、ミナミに来る観光客のうち約6割が人形目当てで、戎橋筋商店街の年間120億円の売り上げのうち約1割が観光客の消費だったため、戎橋筋商店街だけで約12億2400万円の経済効果があったという。

 宮本教授は「心斎橋や他の商店街への影響は試算に含めておらず、ミナミ経済全体に与える効果はさらに大きいだろう。私自身も、学生時代にくいだおれに通い詰めたので閉店は寂しい」としている。

 関西の片隅には住んでますけど,私自身はあまり…と言うか,くいだおれというものに全く馴染みがありません…。くいだおれ人形というものは知っていましたけど,くいだおれ人形がある食堂については知りませんでした。と言うか,あれは食堂だったんですね。大阪の人にとっては,馴染み深いものなんでしょうか。何かあっても京都でこと足りるので,大阪には行かないしなぁ…。

 近年は,くいだおれ人形が阪神タイガースのユニフォームを着てマスメディアに登場することもあって,ドラゴンズを応援する者としては「やっぱり,くいだおれ人形はタイガースファンか…」という冷めた意識があったことは確かです。そりゃ,当たり前だと理解はしてますけどね…。滝汗

 テレビのニュースでは,周辺の人へのインタビューで,「残念ですなぁ…」「よく行ってたんですけどね…」などと語る様子を放送していますけど,「結局みんなが行かなくなったから閉店するんでしょうが…」と思ったりもします。しかし,「大阪名物くいだおれ」には行ったことがありませんし,その周辺にも全く立ち入ったことがありませんので,よく分かりません。時代の流れなんでしょうか…。

 くいだおれ人形と「大阪名物くいだおれ」の商標については,売却も考えているとのことですから,どこかの企業が引き継ぐのでしょうかね。経済効果という話ですけど,とりあえず,くいだおれ人形が何らかの形で残れば,大阪の人は満足できるのかもしれません。

チベット弾圧への声明

中共によるチベット弾圧に対して,日本でも具体的な動きがあったようです。

産経新聞(2008.4.8 19:56)
チベット弾圧で日本の文化人有志が声明

 中国チベット自治区での騒乱を中国政府が強権的に鎮圧したことを受けて、映画監督の龍村仁さん、ジャーナリストの下村満子さん、音楽評論家の湯川れい子さんらが8日、東京・内幸町の日本記者クラブで会見し、文化人有志65人の連名による「14世ダライ・ラマ法王と中国政府首脳との直接対話を求める声明文」を発表した。

 声明文は「ダライ・ラマ法王に扇動された一部チベット人による暴力的反政府活動」という中国政府のキャンペーンを「真実とかけ離れたもの」と批判したうえで、国際的な仲介者のもとでの中国政府首脳と法王との対話を提言。「それこそ中国政府が世界の信頼を取り戻すことのできる唯一の道」と訴えている。

 ダライ・ラマ法王の「愛と非暴力」を貫く姿勢に共感する龍村さん、下村さん、湯川さんが呼びかけ人となり、作家の池澤夏樹さん、女優の岸恵子さん、俳優の堺正章さん、詩人の谷川俊太郎さん、音楽家の細野晴臣さんら計65人が賛同者として名を連ねた。

 会見では「中国政府の報道はでたらめ。真実を見てほしい」と龍村さんが訴えると、親を虐殺や拘束で失ったチベットの子供を支援する下村さんは「私はアンチ中国ではありませんが、いま中国が主張していることは正しくない。ダライ・ラマ法王は一貫して非暴力を唱え、中国との対話を求めています。中国政府は心をオープンに対話を開始してほしい」と強い口調で語った。また、湯川さんは「こういう活動は正直言って怖い。原子力潜水艦に立ち向かうイワシのよう」と不安を吐露したうえで「中国はジャーナリストを受け入れるべき」と述べた。

 3人はさらに賛同者を集めたうえで、声明文を日本政府と中国政府に渡したい、としている。

 本当は日本政府に行動を起こしてもらいたかったんですが,今の福田政権では望めないことなんでしょうかね。
 ロンドン,パリにおけるオリンピックの聖火リレーでは,中国への抗議の形として妨害活動が頻発しているようですが,暴力的な妨害は支持できませんねぇ…。それに対して中国は五輪憲章に違反するなどと非難していますけど,そもそも中国の今までのやり方が五輪憲章を冒涜するものですから,彼らに非難する資格は全くありません。

 とりあえず,日本でもこのような動きがあることついて,マスコミが報道することが重要でしょう。産経以外のメディアが取り上げるのかどうかはわかりませんけど,これからの動きに注目していきたいと思います。
 毒餃子事件の結末を見ても明らかですけど,漢民族以外を全て見下す中華思想は,これからも中国の将来に影を落とすことになるのでしょうね…。