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五輪前のチベット弾圧

チベットでの動きが激しくなってきました…。

産経新聞(2008.3.15 13:05)
「暴動はダライ集団の策動」 中国、威嚇発砲認める 10人死亡も確認

 【北京=野口東秀】中国国営新華社通信は15日、中国西部のチベット自治区ラサで14日に起きた僧侶らによる大規模暴動で10人の死亡が確認されたと報じた。ラサは15日午前現在、鎮静化したものの、厳重な警戒態勢を敷いていると報じた。また、同電は暴動鎮圧で、治安当局が威嚇発砲し、催涙弾を使用したことを確認した。

 新華社電は同日、14日の暴動で多数の警察官が重傷を負ったほか、あらゆる施設などで放火や略奪が発生、石や瓶、引火性液体などを詰めたリックサックを背負った者を多く目撃したことや鉄の棒や刀類を持った暴徒がいたと伝えるなど、暴動の激しさを強調。
 同電は「警官隊は武力行使しないよう命じられたが、デモ群衆を解散させるため、限られた催涙弾を使用し、威嚇発砲を行わざるを得なかった」としている。一方、同自治区のシャンパプンツォク主席は同日、当局による発砲を否定した。

 一方、同電によると、暴動では「関係部門が法に基づき、効果的な措置をとり、適切に事件を処理している」と述べた。これは抗議行動に参加した僧侶や住民を拘束していることを意味するとみられる。また、「暴力行為は社会秩序を破壊し、人命と財産を危険に陥れた。ごく一部の者による陰謀は消滅する運命だ」として、今後も武力鎮圧を強化する姿勢をみせた。
 同電によると、チベット自治区当局者は14日、「暴動はダライ(・ラマ14世)集団が策動した。十分な証拠がある」と述べた。中国政府がダライ・ラマが暴動を動かしたと決めつけ、従来通りの強硬姿勢を貫く構えをみせたことで、インド亡命中の支持者だけでなく、自治区内の僧侶らが反発するとみられる。

 現地の市民は15日、産経新聞の電話に対し、「店やホテルや車やバイクなどが焼かれたが消火された。いまは落ち着きを取り戻したが、抗議行動がいつあってもおかしくない」と興奮した様子で話している。

 ここに来て,中国は急激に大変な状況になっているようです。日本では毒餃子事件があってから,中国がどういう国かということが次第に認知されているような気もしますが,それでもまだまだ現実の中国は奥が深いですね。
 北京五輪を目前に控えた世界の注目度を利用し,これまでチベットの弾圧についてのデモやアピールが行われてきたのでしょうが,中国政府の度を越した過剰反応によって,さらに世界から注目されてしまう事態になっているようですね。

 日本は戦後,律儀なまでに平和主義を貫き通していますが,中国は建国後,一貫として軍事大国への道を歩み,常に他国との紛争を引き起こしてきました。中ソ国境紛争,中印国境紛争,印パ戦争への介入,台湾への恫喝・圧力,スーダンのダルフール紛争の助長など。国内においても,チベットはもちろん,文化大革命・天安門事件での弾圧・虐殺など枚挙のいとまがありません。最近では,東シナ海のガス田問題で日本に対する軍艦の派遣をちらつかせた恫喝の事実。さらに昨年,中国海軍幹部がアメリカ太平洋軍のキーティング司令官に対し,ハワイを基点とした「太平洋分割管理」を提案したことが明らかになっています。これはもう覇権主義の極みですね。

 なんかこうやって見てみると,中国で今夏「平和の祭典」を行う予定ということが,何かの冗談のようにも思えてきます。中国にとってオリンピックを誘致したことは,これまで抱え込んでいた様々な矛盾を噴き出させることになり,世界にその姿が明らかにされるきっかけになったわけで,とんでもない失政ではなかったのではないかと…。
 今年になってからは,アメリカの映画監督であるスティーブン・スピルバーグ氏が,スーダン・ダルフール問題への中国政府の姿勢を不満として,北京五輪の芸術顧問から退くという声明を発表していますね。
 中国のこれからの展開は,ますます読みにくいことになりそうです。

懲りない反捕鯨団体

 今日は3月3日でひな祭り。と言っても自分にとってはあまり関係のないことなので,気分は盛り上がりません…。そう言えば,昨日から黄砂が飛び始めて,今日は東日本にも達するほどだったようですね。以前は,黄砂は季節の風物詩ぐらいな感覚でいた人も多かったと思いますが,その発生源の国は現在大変な大気汚染を撒き散らしている某国ですから,たかが黄砂と侮れません。事実,近年は黄砂が原因で健康を害される人もあると伝えられます。洗濯物も大変ですよね…。
 と思っていたら,最近日本でもすっかり有名になった「シー・シェパード」がまた事件をおこしたようです。

産経新聞(2008.3.3 12:20)
調査捕鯨船に妨害活動 シー・シェパード

 海上保安庁によると3日午前7時10分ごろ、オーストラリア・メルボルンの南南西約2960キロの公海上で、環境保護団体シー・シェパードの所属船「ステープ・アーウィン号」(1000トン)が、日本の調査捕鯨船「日新丸」に対し、1時間にわたり船橋後方甲板に酪酸入りの薬瓶と白色粉末状のものが入った茶色の紙包みを投げ込む妨害活動を行った。
 日新丸は放水による接近防止措置を行うとともに警備のために日新丸に乗船している海上保安官が「ステープ・アーウィン号」に対して即時中止の警告を行った。投げ込まれた酪酸が保安官2人、乗組員2人の計4人にかかり、3人が医師による診断を受け目の洗浄を実施、症状は回復しているという。

 このシー・シェパードという団体は,度々日本の調査捕鯨船に体当たり攻撃を仕掛けてきたり,少し前には,日本の調査捕鯨船「第2勇新丸」に薬品を投げつけて不法侵入したことでも知られていますね。日本は,とんでもない粘着団体にとりつかれてしまったようで…。環境保護団体というよりテロ組織という印象がますます強くなっていきます。日本に粘着すればするほど,多額の募金が集まって自らが潤うというメリットがあるからやめられない…といった感じなんでしょう。

 しかし,捕鯨国は日本だけではなかったはずです。ノルウェーなんかは,商業捕鯨を宣言してますので,シー・シェパードはそちらにもっと激しく攻撃しているかと言うと,それがノルウェーに対しては随分おとなしいようですね。この点は,アメリカには年中抗議しても,中国には絶対に抗議をしない偽りの"自称"市民団体と重なって見えます。全く困ったもので…。

 日本は条約に則って合法的に調査捕鯨を行っているはずで,シー・シェパードの寄港地があるオーストラリアは充分承知していると思いますけど,昨年からは捕鯨反対を表明している政権に変わってしまいましたね。このところは政策に対する風当たりが強くなったせいで,国民の捕鯨に対する感情にはますます逆らえなくなったようです。この点は,政権が変わるたびに未来志向の関係を重視すると言っておきながら,国内政治に行き詰まると反日政策に方向転換してきた隣国と通じるものを感じます。

 捕鯨問題については,日本などの捕鯨国が理詰めの議論をしても反捕鯨国は全く理解を示さない現状で,今のところ落としどころが見えません。しかし,日本政府には,間違っていることを受け入れることは絶対にしないでいただきたいですね。ほかの外交課題については,日本政府の譲歩する姿ばかりが焼きついているので,心配ではありますが…。

【参考】
ウィキペディア(Wikipedia)捕鯨問題
日本捕鯨協会

イージス艦事故報道の違和感

 このところ,新聞・テレビの報道は,過日のイージス艦と漁船の衝突事故で溢れ返っているという印象です。ただ,これ程までに大々的に報道される状況や,海上自衛隊やイージス艦の責任追及,防衛大臣の責任追及に終始したような報道が目に付くのは,当初から違和感を覚えていました。もちろん,海上自衛隊の責任は免れないのですが,自衛隊という組織そのものに対するマスメディアの拒否反応が報道に現れているように感じます。

 海上自衛隊は今までも,情報漏洩事件で非難を集めてきましたが,今回の衝突事故と合わせて日本の安全保障に不安を感じさせる材料となっています。イージス艦事故について,これまでよりも多面的に捉える評論がありましたので,少々長いですが,引用させていただきました。

産経新聞(2008.2.29 03:15)
【正論】イージス艦事故 評論家・西尾幹二 自衛隊の威信は置き去りに

 ■国防軽視のマスコミに大きな責任

 ≪軍艦の航行の自由は≫
 海上自衛隊のイージス艦が衝突して漁船を大破沈没せしめた海難事故は、被害者がいまだに行方不明で、二度とあってはならない不幸な事件である。しかし事柄の不幸の深刻さと、それに対するマスコミの取り扱いがはたして妥当か否かはまた別の問題である。
 イージス艦は国防に欠かせない軍艦であり、一旦緩急があるとき国土の防衛に敢然と出動してもらわなければ困る船だ。機密保持のままの出動もあるだろう。民間の船が多数海上にあるとき、軍艦の航行の自由をどう守るかの観点がマスコミの論調に皆無である。
 航行の自由を得るための努力への義務は軍民双方にある。大きな軍艦が小さな漁船を壊した人命事故はたしかに遺憾だが、多数走り回る小さな漁船や商船の群れから大きな軍艦をどう守るかという観点もマスコミの論議の中になければ、公正を欠くことにならないか。
 今回の事故は目下海上保安庁にいっさい捜査が委ねられていて、28日段階では、防衛省側にも捜査の情報は伝えられていないと聞く。イージス艦は港内にあって缶詰め状態のままである。捜査が終了するのに2、3カ月を要し、それまでは艦側にミスがあったのか、ひょっとして漁船側に責任があったのか、厳密には分からない。捜査の結果いかんで関係者は検察に送検され、刑事責任が問われる。その段階で海上保安庁が事故内容の状況説明を公開するはずだ。しかもその後、海難審判が1、2年はつづいて、事故原因究明がおこなわれるのを常とする。

 ≪非難の矛先は組織に≫
 気が遠くなるような綿密な手続きである。だからマスコミは大騒ぎせず、冷静に見守るべきだ。軍艦側の横暴だときめつけ、非難のことばを浴びせかけるのは、悪いのは何ごともすべて軍だという戦後マスコミの体質がまたまた露呈しただけのことで、沖縄集団自決問題とそっくり同じパターンである。
 単なる海上の交通事故をマスコミはねじ曲げて自衛隊の隠蔽(いんぺい)体質だと言い立て、矛先を組織論にしきりに向けて、それを野党政治家が政争の具にしているが、情けないレベルである。今のところ自衛隊の側の黒白もはっきりしていないのである。防衛省側はまだ最終判断材料を与えられていない。組織の隠蔽かどうかも分からないのだ。
 ということは、この問題にも憲法9条の壁があることを示している。自衛隊には「軍法」がなく、「軍事裁判所」もない。だから軍艦が一般の船舶と同じに扱われている。単なる交通事故扱いで、軍らしい扱いを受けていないのに責任だけ軍並みだというのはどこか異様である。
 日本以外の世界各国において、民間の船舶は軍艦に対し、外国の軍艦に対しても、進路を譲るなど表敬の態度を示す。日本だけは民間の船が平生さして気を使わない。誇らしい自国の軍隊ではなくどうせガードマンだという自衛隊軽視の戦後特有の感情が今も災いしているからである。防衛大臣と海上幕僚長が謝罪に訪れた際、漁業組合長がとった高飛車な態度に、ひごろ日本国民がいかに自衛隊に敬意を払っていないかが表れていた。それは国防軽視のマスコミの体質の反映でもある。

 ≪安保の本質論抜け落ち≫
 そうなるには理由もある。自衛隊が日本人の愛国心の中核になり得ず、米軍の一翼を担う補完部隊にすぎないことを国民は見抜き、根本的な不安を抱いているからである。イージス艦といえばつい先日、弾道ミサイルを空中で迎撃破壊する実験を行った。飛来するミサイルに水も漏らさぬ防衛網を敷くにはほど遠く、単なる気休めで、核防衛にはわが国の核武装のほかには有効な手のないことはつとに知られている。
 米軍需産業に奉仕するだけの受け身のミサイル防衛でいいのかなど、マスコミは日本の安全保障をめぐる本質論を展開してほしい。当然専守防衛からの転換が必要だ。それを逃げて、今のように軍を乱暴な悪者と見る情緒的反応に終始するのは余りに「鎖国」的である。
 沖縄で過日14歳の少女が夜、米兵の誘いに乗って家まで連れていかれた、という事件があった。これにもマスコミは情緒的な反応をした。沖縄県知事は怒りの声明を繰り返した。再発防止のために米軍に隊員教育の格別の施策を求めるのは当然である。ただ県知事は他にもやるべきことがあった。女子中学生が夜、未知の男の誘いに乗らないよう沖縄の教育界と父母会に忠告し、指導すべきであった。
 衝突事故も少女連れ去りも、再発防止への努力は軍民双方に平等に義務がある。(にしお かんじ)

 西尾氏らしい評論ですが,もちろん朝日新聞あたりには絶対に見られない論調ですね。この評論で述べられているように,自衛隊が軍隊として扱われていない現状が大きく影を落としているということは,充分考えられます。ミサイル防衛自体にも批判的な方々が多くいらっしゃいますし。こういった方々は,とりあえず軍事的な装備は気に入らないように見受けられます。
 今回の事故で言えば,中途半端な立場の海上自衛隊の組織自体が,漁船に衝突する直前まで自動操舵のまま航行することを許した官僚的思考を育てていたのかもしれません。現在,イージス艦事故の捜査は海上保安庁に委ねられていますが,防衛大臣には,今回の事故の根本的な要因まで踏み込んでいただきたいですね。その後辞任するならそれでいいと思います。

 イージス艦事故におけるマスコミの報道は,自衛隊責任論以外の論調を差し挟む余地を狭めてきたようです。もう少し,バランスのいい報道が増えるといいんですが…。この評論では沖縄の事件についても指摘されていますけど,この場合,やはり沖縄の人々の責任にも言及しないと,バランスを欠いていると言えるでしょうからね。

混迷する毒餃子事件

ロイター(2008年 02月 28日 15:58)
冷凍ギョーザ事件、殺虫剤が混入されたのは中国ではない=中国当局

 [北京 28日 ロイター] 中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、捜査を行っていた中国側当局は28日、事件は人為的なものであり、殺虫剤メタミドホスが混入されたのは中国ではない、との見方を示した。
 新華社によると、中国側当局者らは「中国北部の工場で製造されたギョーザによって日本で起きた中毒事件は、人為的な特殊な事件であり、中国で(毒物混入が)起きたとは考えにくい」としている。
 中国公安省刑事偵査局の余新民副局長は、記者会見で「徹底した捜査の結果、中国国内でギョーザにメタミドホス(殺虫剤)が混入された可能性は極めて低いと考えている」と語った。
 また、中国国家品質監督検査検疫総局は、中国側の工場で採取したサンプルからは有害物質が発見されず、不自然な行いなども認められなかったとしている。

 日本と中国の捜査が全くかみ合わないままですね。中国側は,このままうやむやで終わらせたいような雰囲気で,真相究明する気もないように思われます。これでは,日本の消費者が中国製品への不信感を抱いたままになるような気がしますが,それでいいんでしょうか…。
 という訳で,日本の食品の消費は国産品へ比重を移していくか,少なくとも中国以外の輸入品になるという方向に向かっていくことが現時点での理想でしょう。日本政府が輸入禁止の措置を取ろうとすると,中国共産党は食品以外の貿易で締め付けると恫喝しますが,消費者の選択の結果として中国産が排除されるという方向に向かえば,中国側も文句のつけようがありません。現在の報道は,イージス艦の事故などに埋め尽くされていますけど,日本の消費者には毒餃子事件も忘れて欲しくないですね。

【2/28追記】
一方,警察庁は中国側の発表に反論したようです。

読売新聞(2008年2月28日19時50分)
中国側発表「看過できない」…警察庁長官が反論

 中国製冷凍ギョーザの中毒事件で、中国公安省幹部が中国国内で有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が混入した可能性を否定した発言について、警察庁の吉村博人長官は28日の定例記者会見で、「看過できない」「こういうことを予告もなくポーンと出してくるのはいかがか」と厳しい口調で反論した。
 吉村長官は、<1>検出されたメタミドホスは不純物が多く、国内で流通していない<2>実験の結果、メタミドホスは袋の外側から内側には浸透しない<3>千葉と兵庫で中毒を起こしたギョーザが国内では別ルートで流通している――ことなどを挙げ、改めて「日本国内での混入の可能性は極めて低い」と強調。中国公安省刑事偵査局の余新民・副局長の28日の会見内容は「不可解な点が多い」と述べた。
 特に余副局長が「実験の結果、メタミドホスは袋の外側から内側に浸透する」として日本側の鑑定結果と全く逆の見方を示した点については、「科学的データをもらいたい」と疑問をなげかけた。
 警察庁によると、今月21、22の両日に来日した中国公安省幹部との協議や25日に北京で開いた会議では、日本側から、メタミドホスが検出されたギョーザの鑑定結果や袋の写真、ガスクロマトグラフィー質量分析装置によるメタミドホスの不純物の分析結果などを中国側に提供した。一方、中国側には、過去に起きたメタミドホスを使った事件の捜査資料や、製造元の「天洋食品」(河北省)の工場内を撮影したビデオなどを求めているが、「探している」などとして提出されていないという。
 吉村長官は、余副局長が鑑定結果や証拠を日本に求めても提供されないと発言したことにも触れ、「誤解を招く言い方だ」と反発した。

 警察庁は,中国側の発表は全くのデタラメであると公言したということのようです。これは,今後の動向に注目ですね。にやり

福田首相のコメントも入ってまいりました。中国側は「非常に前向きだ」ということだそうです。う~ん,呆れますね…。
時事通信(2008/02/28-20:50)
原因究明、中国も前向き=ギョーザ中毒問題で福田首相

 福田康夫首相は28日夜、中国製冷凍ギョーザ中毒問題で中国公安省が同国内での毒物混入の可能性は低いと発表したことについて「(中国側は)これからも日本と共同して、しっかり調査したいということを言っていたのではないか。非常に前向きだ」と述べ、今後も中国と協力して原因究明に当たる考えを示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。
 また、首相は「中国側も原因をしっかり調査し、責任をはっきりさせたいという気持ちは十分持っていると思う。日本側も協力してやってもらいたい」と語った。

沖縄集団自決問題で新証言

 産経新聞が,沖縄の集団自決問題の新たな証言について報道していましたね。

 以前の記事で,少し所感を書きましたけど,子どもの教育を担う教科書で間違った記述がまかり通ることがあってはなりません。現状でも近代史における南京事件や慰安婦など,事実を追究すべき教科書とは到底思えない論調が見られます。教科書の奥付けに名前を連ねた研究者たちはそれを是とするのでしょうか。
 沖縄の集団自決問題については,これからも新たな証言や事実が出てくる可能性があるでしょうし,まだまだ議論の余地があるでしょう。自決の軍命があったと断言する人々には,軍命があったことを否定する証言に聞く耳持たぬ態度を改めて,今後は真摯な議論に参加することを期待したいですね。現状は非常に厳しいですが…。

産経新聞(2008.2.22 23:13)
集団自決、隊長はいさめた 沖縄・座間味で日本軍強制説否定する新証言

新聞記事の引用を読む

竹島の日

 本日2月22日は「竹島の日」ということです。先日の2月7日は「北方領土の日」ということで,新聞などにも政府広報があったかと思いますが,竹島の日については島根県が2005年に条例で制定したもので,国民の間の認知度はあまり高くないようですね。北方領土,竹島,尖閣諸島と,日本の領土は戦後一貫として占領もしくは脅かされていますが,早期に解決できればいいですけどね…。
 インターネット上では竹島に関する理解を深める活動が継続して行われているようです。この記事の画像は以下のサイトからいただきました。
2008年竹島プロジェクト

また,竹島問題に関する解説は以下の島根県のサイトに詳述されています。
Web竹島問題研究所 かえれ島と海

今度は鯖の切り身から

朝日新聞(2008年02月18日)
魚から殺虫剤「想定していなかった」

 魚の加工品にも殺虫剤成分が付着していた。香川県内の食品販売会社が取り扱う中国製冷凍サバの切り身から、有機リン系化合物「ジクロルボス」が検出されたことが18日、明らかになった。農薬に登録されているジクロルボスが、なぜ真空パック状態の水産食品に混入したのか。緊急会見した業者は「想定していなかった」と戸惑い、取引先の回転ずし店は問題の食品を回収するなどの対応に追われた。

 突き詰めればどんどん出てきますねぇ…。今まで分からなかったのか,または隠されていたのか。以前から中国製食品の問題に関心があった人から見れば「やっぱり出てきたな」ということなんでしょうが。
 デンマーク産の鯖を中国の工場で加工したそうですが,なんで全く関係ない農薬なんでしょうかね…。業者の「想定していなかった」という発言は正直なところでしょう。色々な事件が発覚する中で,中国産の食品の問題は残留農薬の問題だけではないことがだんだんと明らかになってきていますね。今の中国ではなんでもありえます。次のような報道もありますしね。救いようがない状況です…。
【中国・毒ギョーザ】 天洋食品社長「我々は今回の事件で最大の被害者だ」…今後は賠償請求も検討

 そろそろ,日本政府のまともな対応を期待してもいいんでしょうか…。

最近の沖縄問題

 このところ,沖縄関連のニュースが入ってますので,その所感などを…。

朝日新聞(2008年02月16日11時31分)
自己責任論にNO 女性団体、立ち上がる 米兵事件
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日中食品問題

共同通信(2008/02/13 21:35)
密封でも中国とは限らず ギョーザ事件で中国検疫当局

 【北京13日共同】中国国家品質監督検査検疫総局の魏伝忠副総局長は13日の会見で「密封されたギョーザ製品の袋から(殺虫剤)メタミドホスが検出されたから、生産過程で混入したと考えるのは単純すぎる」と述べ、中国の工場で混入されたとの断定的な見方に反発した。

 副総局長は「袋を開封してまた密封することは、ハイテクなど使わなくても普通の人でもできる」と指摘。密閉された袋から検出されたことは生産過程で混入したとの結論には結び付かず「一つの推測にすぎない」と述べた。

 町村信孝官房長官は8日、密封されていた袋の内側から殺虫剤が検出されたことを受け、中国側で混入したと考えるのが自然との認識を示していた。

日中間で捜査状況についての連絡を取り合っているということでしたが,全然相互理解になっていないようですね。

副総局長は「袋を開封してまた密封することは、ハイテクなど使わなくても普通の人でもできる」と指摘。

こういうことを言ってしまっていいんでしょうかね…。どうやら,警察庁から日本側の詳細な捜査結果と分析をつきつけてもらいたいようです。中国捜査当局による捜査はもうお手上げといった状況でしょうか。それとも,どうしてもうやむやにしたいのか…。


 さて,滋賀県では,週に一度,新聞のチラシと一緒に滋賀報知新聞という一枚物のコミュニティ紙的な新聞がはさみこまれていて,私も時々じっくり読んでみたりします。この新聞は,立ち位置としては中道といったところでしょうか。おもに滋賀県内の政治・経済に関する記事が載っていますが,一連の食品問題についての社説がありました。一応,地元のよしみということで…。(^^;

滋賀報知新聞 社説
2/9・のど元過ぎても熱さを忘れることなかれ

 荻原浩の「神様からひと言」(光文社文庫)は、食品メーカーの苦情処理班をコミカルに描いた痛快小説である。苦情処理班は、リストラ寸前の社員が配置転換される収容所で、うるさい消費者には高額の商品を配って口封じを行うのが日常業務になっていた。しかし、ある商品苦情から思わぬ社内秘密に突き当たる。
 中国製冷凍ギョウーザ事件は、県内でも深刻な爪あとを残した。県食の安全推進室によれば、吐き気や下痢などを催したという届け出は七日午後四時時点で三十九人(累計)にのぼっている。問題の天洋食品製冷凍食品の輸入元「ジェイティフーズ」の親会社「日本たばこ産業」(JT)には、すでに昨年四月から「異臭がする」というクレームが相次いでいたという。かりに毒物混入の有無を調べる化学検査を一度でも行っていれば、今回の事態は防げたはずだ。
 同時に消費者も、企業が単にトップの首をすげ替えるだけで「よし」としてはなるまい。消費期限偽装が発覚して昨年十月から営業を中止していた「赤福」(三重県)が六日朝、伊勢市本店で営業を再開するや、赤福餅を買い求める客が殺到した。「のど元過ぎれば熱さ忘れる」日本の神様(消費者)の姿を目の当たりにして少々考えさせられるところがあった。マニフェスト(選挙公約)のように、食品で問題を起こした企業は、二度と過ちを繰り返さないことを消費者に公約すべきである。それが保証されない限り、頑(がん)として買わない、そんな毅然(きぜん)たる態度が消費者にも求められている。

 書いてあることは概ねその通りであると思われますが,毒餃子に比べれば,日本の食品偽装事件などかわいいものですねぇ…。まぁ,もちろん許されないことですけど。社説では「のど元過ぎれば熱さ忘れる」という例として赤福が登場していますが,私は赤福は非常によい対応をしたと思います。原因の調査や改善の方策と進捗状況を常に消費者が分かりやすいように公開していましたし。その結果が「伊勢市本店で営業を再開するや、赤福餅を買い求める客が殺到した」という状況に表れていると思います。ここで例を出すなら,経営陣が非を認めず,あろうことかパート従業員に責任を擦り付ける言動をして居直った船場吉兆ではないでしょうかね。
 中国産食品の場合は,少なくとも消費者が選べるだけの情報を与えていただきたいと思います。中国の食品を扱う企業には,中国企業への指導や検査だけではなくて消費者への情報も重視していただきたいですね。この点については,行政が後ろ向きなのが困りますが…。

天洋食品って…

 このニュースが,昨日の夕方,フジテレビで報道されていたようですね。

【中国産・毒ギョーザ】 19歳女性従業員、蒸し器の中にいるときに機械作動→1日蒸され死亡(昨年)→天洋食品、表沙汰にせず

 この事故は大変痛ましいんですけど,蒸し器のある施設の中に忘れていた私物の携帯電話を取りに行ったときに閉じ込められたようです。天洋食品は今まで「厳重な管理によって,私物など持ち込むことはできない」などと言明していたそうですが,とんでもなく怪しくなりましたね…。
 一連の毒餃子事件の後,自宅近所のスーパーでは天洋食品が生産したものだけでなく,中国産の冷凍食品が全て撤去されていました。いちいち生産国をチェックしてから購入するのも大変なので,こういった措置はとても好ましく思われます。願わくば,冷凍食品だけでなくて,食品全般で中国産が入っているか否かをはっきりさせていただけるとありがたいですねぇ。加工されたものは産地が分かりにくいので。
 日本の警察庁は,今後も日本国内で毒物が混入された可能性について追及するとのことですが,この目的は日本での混入の可能性を徹底的につぶすことにあるようです。今後の捜査と政府の毅然とした対応に期待したいところです。

【2/7追記】
産経新聞(2008.2.6 19:47)より引用

過激分子の犯行の可能性示唆 中国検疫当局
【北京=福島香織】中国国家品質監督検査検疫総局の魏伝忠副局長は6日、北京で中国製ギョーザ中毒事件の調査のため中国を訪問中の日本政府調査団と会談し、殺虫剤が中国側の生産過程で混入した可能性は低いとしたうえで、「中日関係の発展を望まない少数の分子が過激な手段に出たのかもしれない」として、中国政府幹部として故意の犯行の可能性を初めて示唆した。

 中国側の論調が少し変わってきたようですね。今後の展開への予防線でしょうか…。魏伝忠副局長は「中日関係の発展を望まない少数の分子」と発言していますが,日中関係を阻害しているのは紛れもなく中国共産党(中共)そのものです。
 このことは,南京事件のプロパガンダや日本のガス田を盗掘して開き直る態度を見ても明らかですし,江沢民以降に激しくなった反日教育もすっかり中国人に浸透しています。さらに中国では,中共の無責任な施策によって人命軽視の風潮が蔓延していることや,日本では考えられないほどの極端な格差社会が問題視されています。中国側に日中関係の発展を望まない分子がいるとすれば,それは中共の意向を反映したものであり,中国社会を反映したものと言えるでしょう。
 毒餃子事件はまさに構造的な問題であり,現状では根本的な解決はほど遠いかと思います。