JRの寝台特急や寝台急行が次々と姿を消すようですね…。
産経新聞(2008.3.13 01:40)
「銀河」あすラストラン ホームにはファン大挙
東京駅10番ホームから機関車にひかれた「銀河」がゆっくりと発車した。12日午後11時。鉄道ファンら約300人が身を乗り出し、一斉にカメラのシャッターを切った。青い車体が遠ざかるにつれ、「さよなら」と甲高い声が飛んだ。
引退を前に、260人の定員は、平日でも7割からほぼ満席。14日発の列車は1カ月前の発売開始後30秒で売り切れ、“引退セレモニー”はラストランを待つことなく、ヒートアップしている。「銀河」は昭和24年に登場し、翌年に愛称が付けられた。現在は、下りが午後11時に東京駅を出て午前7時18分に到着し、上りは大阪発午後10時22分で東京着は午前6時42分。新幹線の始発・最終よりも“遅く出て、早く着く”ことでビジネスマンにも重宝された。
12日に東京駅から「銀河」に乗った西東京市の自営業、土井信成さん(59)も食品メーカーに勤めていた40代のころ、大阪出張はいつも「銀河」だった。
車内は個室がなく狭い2段ベッドが並ぶ。仕切りはカーテンだけだったが、「乗り合わせたほかのお客さんとも話ができたり、旅の風情があったんですよ」。1度、小学生だった長男と一緒に乗ったときは、いつもより親子の話が弾んだ。「『お父さん、電車で寝られるんだね』って、息子がはしゃいじゃってね。ブルトレは親子に忘れられない思い出までくれました」。「銀河」とともに14日、姿を消すJR九州の寝台特急「なは・あかつき」(京都-熊本・長崎)は、機関車側のヘッドマークがなくなる盗難被害が発覚したばかりだが、「銀河」を運行するJR西日本も備品が被害に遭い、一時は車体側面の行き先表示幕などを紙や段ボールの代用品にして運行していたほどだ。
今回で昭和62年のJR発足後、ブルトレは13列車が廃止に。JR西は「銀河は利用が減り続け、平均乗車率は4割強。新幹線や航空機の運行に加え、各地に安いホテルができた。料金で大きな開きのある深夜バスの台頭も大きい」と廃止の理由を説明する。
残るブルトレは「北斗星」(上野-札幌)「日本海」(大阪-青森)「あけぼの」(上野-青森)「北陸」(上野-金沢)「はやぶさ・富士」(東京-熊本・大分)の6列車となる。
「北斗星」は、今回のダイヤ改正で2往復から1往復に減便される。北海道新幹線開業に伴う青函トンネルの工事が理由だ。同トンネルは線路を外側に1本増やすなどして在来線と新幹線が同じレールを共用するが、JR東日本は「新幹線開業後に2往復に戻すかは未定だ」と話す。
鉄道アナリストの川島令三氏は「JR各社は、新幹線の新車両を導入しなければならず、ブルトレの新車両をつくる余裕がない」とみており、ブルトレの前途は多難だ。
「銀河」ってどこかで聞いたことがあるなぁと思っていたんですが,ちょっと記憶が蘇ってきたようで…。私が学生のときに東京から広島までJRに乗る機会がありまして,そのときに当時一枚2200円だった「青春18切符」を使って東京-大垣間を走る夜行の快速(今はムーンライト号というんですかね)に乗りました。それが盆の時期だったんで,車内は大混雑。仕方がないので立ったまま眠るという状態で。どうもこのときに銀河を見かけたようですね。「あぁ,金があったらああいう特急に乗れるんだなぁ」と何となく思っていたような覚えがあります。途中の駅で銀河に抜かされたのか,それとも単に駅に停車していた銀河を見たのかという記憶がもう一つ曖昧なんですが…。当時の運行ダイヤがどうだったのかも分かりませんしね。ともかく,その銀河が姿を消しますかぁ。ついに一度も乗る機会はなかったですけど…。
寝台列車と言えば,その後,佐賀県の鳥栖駅から京都駅まで寝台急行に乗ったことが一度だけあります。車内はかなり空いてましたけど,一番安い寝台車両だったんで結構スペースがきつかったですね。まぁ,旅の風情は感じられてよかったんですけども。このとき京都駅に到着するのが朝の5時ごろだったので,検札に来た車掌さんが「着く前に起こしましょうか?」と気を使ってくれました。結局,ちょうど着く前に目が覚めて寝台の横の座席に座っていたら,車掌さんが「もうお目覚めでしたか~。」と笑顔で声をかけてくれたことを覚えています。
それにしても,鉄道ファンというのは「熱い」ですね。私も鉄道自体は結構好きなんですが,ここまで熱くなれません。そう言えば,1997年に京都市営地下鉄の東西線が開通するときに,京阪電鉄の京津線の一部路面電車となっていた部分(京都の三条京阪駅~京阪山科駅)が地下線化されましたが,そのときにカメラを抱えた人たちがうじゃうじゃとやって来ました…。鉄道が廃止されるというニュースなんかでは,鉄道ファンが大勢やって来て写真を撮りまくっているという映像を見ますが,実際にそういう場面に出くわすのは初めてでして。「へぇ~すごいね」などと一人で感動してしまいました。でも,ヘッドマークの盗難はだめですねぇ…。
先日,報道されていたように思いますが,JRの湖西線~北陸線を走る特急「雷鳥」の車両が来年以降リニューアルされるそうで…。今の車両は,昼間走る特急の昔からの定番のタイプです。う~ん,このへんは全然詳しくないので,この車両を何と言うのか分かりませんが,先頭がモコッと膨らんだような,肌色ベースに赤いラインが入ったやつですね。ということで,新しくなる前に一度乗ってみたい気持ちはあるんですが,銀河のようにまた乗り損ねることになるような気もしています。