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日中食品問題

共同通信(2008/02/13 21:35)
密封でも中国とは限らず ギョーザ事件で中国検疫当局

 【北京13日共同】中国国家品質監督検査検疫総局の魏伝忠副総局長は13日の会見で「密封されたギョーザ製品の袋から(殺虫剤)メタミドホスが検出されたから、生産過程で混入したと考えるのは単純すぎる」と述べ、中国の工場で混入されたとの断定的な見方に反発した。

 副総局長は「袋を開封してまた密封することは、ハイテクなど使わなくても普通の人でもできる」と指摘。密閉された袋から検出されたことは生産過程で混入したとの結論には結び付かず「一つの推測にすぎない」と述べた。

 町村信孝官房長官は8日、密封されていた袋の内側から殺虫剤が検出されたことを受け、中国側で混入したと考えるのが自然との認識を示していた。

日中間で捜査状況についての連絡を取り合っているということでしたが,全然相互理解になっていないようですね。

副総局長は「袋を開封してまた密封することは、ハイテクなど使わなくても普通の人でもできる」と指摘。

こういうことを言ってしまっていいんでしょうかね…。どうやら,警察庁から日本側の詳細な捜査結果と分析をつきつけてもらいたいようです。中国捜査当局による捜査はもうお手上げといった状況でしょうか。それとも,どうしてもうやむやにしたいのか…。


 さて,滋賀県では,週に一度,新聞のチラシと一緒に滋賀報知新聞という一枚物のコミュニティ紙的な新聞がはさみこまれていて,私も時々じっくり読んでみたりします。この新聞は,立ち位置としては中道といったところでしょうか。おもに滋賀県内の政治・経済に関する記事が載っていますが,一連の食品問題についての社説がありました。一応,地元のよしみということで…。(^^;

滋賀報知新聞 社説
2/9・のど元過ぎても熱さを忘れることなかれ

 荻原浩の「神様からひと言」(光文社文庫)は、食品メーカーの苦情処理班をコミカルに描いた痛快小説である。苦情処理班は、リストラ寸前の社員が配置転換される収容所で、うるさい消費者には高額の商品を配って口封じを行うのが日常業務になっていた。しかし、ある商品苦情から思わぬ社内秘密に突き当たる。
 中国製冷凍ギョウーザ事件は、県内でも深刻な爪あとを残した。県食の安全推進室によれば、吐き気や下痢などを催したという届け出は七日午後四時時点で三十九人(累計)にのぼっている。問題の天洋食品製冷凍食品の輸入元「ジェイティフーズ」の親会社「日本たばこ産業」(JT)には、すでに昨年四月から「異臭がする」というクレームが相次いでいたという。かりに毒物混入の有無を調べる化学検査を一度でも行っていれば、今回の事態は防げたはずだ。
 同時に消費者も、企業が単にトップの首をすげ替えるだけで「よし」としてはなるまい。消費期限偽装が発覚して昨年十月から営業を中止していた「赤福」(三重県)が六日朝、伊勢市本店で営業を再開するや、赤福餅を買い求める客が殺到した。「のど元過ぎれば熱さ忘れる」日本の神様(消費者)の姿を目の当たりにして少々考えさせられるところがあった。マニフェスト(選挙公約)のように、食品で問題を起こした企業は、二度と過ちを繰り返さないことを消費者に公約すべきである。それが保証されない限り、頑(がん)として買わない、そんな毅然(きぜん)たる態度が消費者にも求められている。

 書いてあることは概ねその通りであると思われますが,毒餃子に比べれば,日本の食品偽装事件などかわいいものですねぇ…。まぁ,もちろん許されないことですけど。社説では「のど元過ぎれば熱さ忘れる」という例として赤福が登場していますが,私は赤福は非常によい対応をしたと思います。原因の調査や改善の方策と進捗状況を常に消費者が分かりやすいように公開していましたし。その結果が「伊勢市本店で営業を再開するや、赤福餅を買い求める客が殺到した」という状況に表れていると思います。ここで例を出すなら,経営陣が非を認めず,あろうことかパート従業員に責任を擦り付ける言動をして居直った船場吉兆ではないでしょうかね。
 中国産食品の場合は,少なくとも消費者が選べるだけの情報を与えていただきたいと思います。中国の食品を扱う企業には,中国企業への指導や検査だけではなくて消費者への情報も重視していただきたいですね。この点については,行政が後ろ向きなのが困りますが…。

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