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「すべてやらせだ」

 チベット情勢は,だんだん深刻化しているように見えます。

読売新聞(2008年3月27日21時58分)
「すべてやらせだ」直訴のチベット僧らTV映像に

 【香港=吉田健一】チベット族による大規模暴動が起きた中国チベット自治区の区都ラサを26日、中国政府が組織した外国メディア取材団が初めて訪れ、香港無線テレビ(TVB)は27日、「取材先の寺院の参拝客らはすべて当局が動員した関係者だ」などと訴えるチベット僧侶の姿を放映した。

 チベット仏教寺院ジョカン寺(大昭寺)を訪れた取材陣の前に約30人の僧侶が突然現れて語ったもので、「当局者を信じるな。すべてやらせだ」などと泣きながら訴えたという。AP通信はまたラサ発で、事前に当局が設定した取材を遮って僧侶らが「チベットに自由はない」などと語ったと伝えた。

 中国外務省の秦剛・副報道局長は27日、「僧侶が何を言ったか承知していないが、(やらせとの指摘は)根拠がなく、無責任で事実に合わない」と反論した。

 今回の話がやらせかどうかは分かりませんが,中国共産党ならやりかねないと思ってしまうところが,この国の本質を表していると感じられます。昨年発生した,例のダンボール肉まんの事件の報道をやらせだとして摘発した中国捜査当局の発表そのものも,やらせだと思った人も多いでしょう。そもそも,中国人は中国共産党を全く信用していないように思われます。中国の人民は,中国共産党の国ぐるみのやらせに付き合いながらも,したたかに生きるしかないと言う状態にあるのかもしれません。

 先ごろは,中国の全国人民代表大会(全人代)のニュースが流れていましたね。その代表は日本で言えば国会議員に当たるわけですけど,その全人代の代表が記者会見に登場するという画期的なことが報道されていました。それでも,党中央の意向に反することは発言できません。記者の微妙な質問には当たり障りのない言葉で返すしかなく…。
 こうして,いつまでも壮大なやらせが続くのでしょうか。

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