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【京都の寺社】野宮神社

 前回は嵐山から東へたどった車折神社でした。今回の野宮(ののみや)神社は,嵐山の天龍寺から北へ向かい,あの有名な嵯峨野の竹林の小道に行こうとすると,ふと脇に見つけることのできる小さな神社です。
 小さな神社ですけど,結構参拝客が多いですねぇ…。効能…じゃなくて,ご利益はと言えば,鎮火勝運,芸能上達,子宝安産,商売繁盛,交通安全,財運向上,良縁結婚…。この中でも,縁結びと子宝安産がこの神社のポイントのようです。さらにこの神社は源氏物語にも登場し,能の題材にもなっているとか。こういう訳で多くの参拝客を呼んでいるんでしょうね。
 私が参拝したときには全然気に留めなかったんですが,野宮神社の入り口にある黒木鳥居は,クヌギの木を樹皮がついたまま使用している日本最古の様式ということです。古い歴史を持つ神社の顔ですか。微笑

 さっそく,野宮神社のサイトから由来を紐解いてみますと…。
 『野宮はその昔、天皇の代理で伊勢神宮にお仕えする斎王(皇女、女王の中から選ばれます)が伊勢へ行かれる前に身を清められたところです。
 嵯峨野の清らかな場所を選んで建てられた野宮は、黒木鳥居と小柴垣に囲まれた聖地でした。その様子は源氏物語「賢木の巻」に美しく描写されています。
 野宮の場所は天皇の御即位毎に定められ、当社の場所が使用されたのは平安時代のはじめ嵯峨天皇皇女仁子内親王が最初とされています。斎王制度は後醍醐天皇の時に南北朝の戦乱で廃絶しました。その後は神社として存続し、勅祭が執行されていましたが、時代の混乱の中で衰退していきました。
 そのため後奈良天皇、中御門天皇などから大覚寺宮に綸旨が下され当社の保護に努められ、皇室からの御崇敬はまことに篤いものがありました。』

 なるほど,伊勢神宮に派遣されることになった天皇の名代である斎王(斎宮)が身を清めたところを,もともと「野宮」とよんでいたようですね。これが野宮神社の名前の由来ですか…。それで,天皇が代わるたびに場所が変わっていた「野宮」が,平安時代のはじめに現在の場所に定着して「野宮神社」となったと…。野宮神社は伊勢神宮と皇室にとても深いゆかりのある神社ということなんですね。
 で,現在の野宮神社の御祭神は野宮大神(天照皇大神)だそうです。他にも愛宕大神,白峰弁財天,白福稲荷大明神,大山弁財天,野宮大黒天がまつられていて,多くのご利益をもたらしているそうで…。笑顔

 観光ガイドなんかを読むと,野宮神社の境内にある苔むした庭園が必ず登場するようです。「野宮じゅうたん苔」というそうで,境内にも案内板がありました。一般的には,ご利益どうのこうのというよりは,こちらの方が有名なんでしょうか…。確かに寺院では苔の庭園をよく見かけますけど,神社で苔の庭園というのはあまり聞いたことがないような気がします。名前の通りふかふかしたような苔ですね。微笑

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